氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

強請る(ねだる)=強請り(ゆすり)

次女が言う。

「ねぇ、お父さん。自転車買って」

 

お前は実に金の掛かる子だね。往事ならともかく、緊急事態宣言が未だ発令中の我が家の台所事情を知ってか知らんか平気で強請ってきやがる。

 

確かに中学生となった今、小学生の時の自転車には乗れたとしても気恥ずかしいものがあるのは想像出来る。何とかしてやらなきゃ、と考えた矢先のコロナ騒ぎだ。幸いにして外出も自粛要請を受け、大人しく自宅に閉じこもっている間はよかったのだが、月曜日から学校が始まることを受け外出する機会もきっと増えることだろう。

 

それを聞いた坊主が言う。

「俺なんて中学に入ったからといって自転車なんて買ってもらえなかったぞ」

「じゃぁ、どうしとったの?」

と、次女が尋ねる。

「親父のお古に乗っとった」

 

その昔、出社を二度余儀なくされていたことがあった。早朝から仕入れ納品、一旦帰宅。改めて出社するといったスタイルだ。その改めて分のガス代を惜しみクロスバイクを購入。それで通っていたことがある。就業スタイルが変わり必要なくなったクロスバイクを坊主が代わりに使う様ことなったというわけだ。

 

「お前も中古で充分。おかあの自転車があるだろ。タイヤ換えたばかりだからあれに乗れ」

おっと、坊主から思わぬ助け舟。

「え~っ、あれ嫌や。だってあまにもオンボロやもん」

 

確かに見た目はかなりキテいる。それに坊主が高校の終盤は自分の自転車が壊れたという理由でその自転車を代わりに使っていた。と、今度は前かごが壊れたという理由で、元の自分の自転車に付いていた前かごを外し、後部座席に紐でくくりつけていたのでピチピチのJCが乗るのにはかなり個性的なスタイルだ。

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「どっちみち高校へ行く様になったら通学用にまた買わなきゃならないんだから我慢しろ」

父親として言いたくても言えないセリフが坊主の口からザクザクと出てくる。

「じゃぁさ、中古でいいからせめてアレよりはイイ奴がいいな」

なんか不憫に思えてきた。

 

それをスタッフに相談すると、懇意にしている自転車屋に1台在庫があるとの情報が寄せられたので拝見しに行ってきた。

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中古にしてはかなりキレイだ。ただ、JCが乗るにはあまりに色合いがおっさん臭い。決めかねるので嫁のスマホに訊いてみてくれと写真を付けLINEを送ったが、一晩経って朝を迎えた今になっても返事がないのは何故なんだろう?

 

因みに昨日は同級生達との飲み会で家族と会ってないの。

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