氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

臨時休業させて頂きます。

それが例えキャバクラとはいえ、風評にとどまらず実際に飲食店というカテゴリーの中から罹患者が出てしまうとなると、いわゆる「3つの密」に近寄りがたいのは自身がその業界にあっても同じことだと思う。そこに家族が加わるとなれば尚更だ。

 

命知らずの猛者とて、「コロナ上等」とウィルス相手にタイマンを挑んだところで、所詮見えない相手にパンチは空を切りあげくジワジワと嬲り殺されるのがオチといった結末が目に見えている。ならば挑まぬのが上策と考える。

 

ということで、飲食業界に身を投じて後、入院生活を除く我が人生初の長期休暇を取ることになった。ケツをまくると言えば聞こえは悪いが、逃げるが勝ちといえば多少それも軽減され結果オーライだろう、というかそうあって欲しい。

 

ただ未だかつてない自宅での幽閉生活というのはアウトドア派の自分にとってさすがに辛いものがある。テイクアウトして自宅でランチという手段も選択肢のひとつだが、どうせならばテイクアウトして青天井の元、食事をしようということになった。娘達に相談したわけではない。自分で勝手に決めた。

 

時は春。百花繚乱の季節である。桜もほぼ満開を迎え、早いところでは既に葉桜をお披露目するしかなくなってしまっている箇所もチラホラと出てきた。その様な折り、日本三大桜のひとつに数え上げられる国指定の天然記念物「淡墨桜(うすずみざくら)」が満開を迎えたと聞き足を運んで見ることにした。

 

道中、「みたらし団子」という看板を目にする。通りがかる度に目にするも、一度も訪ねたことがない。娘達は大の「みたら団ギャー」だ。

 

「昼飯、これでいいんじゃね?」

と独り言の様に呟くとハンドルを切り店の駐車場にドリフトインした。

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忙しそうに焼き台の上で団子をひっくり返す店主に、

「すみません」

と声をかけ、、ん?あれ?あれれ?

 

「えーっ!」

なんと店主は知人ではないか。まさかそれが自宅の近くで団子屋を営んでいたとは思いも寄らなかった。先客もおり中々繁盛している様だった。それもそのはず、店頭には「みたらし団子1本30円」と書いてある。

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3人分で15本を注文しても税込450円という破格値だ。

 

注文が出来上がるのを待つ間も昔話やら世間話に花を咲かせながら楽しく待ち時間を過ごすことが出来た。コロナの一件依頼、やはり急激に需要が増えたと嬉しい悲鳴をあげていた。

 

さて、当の「淡墨桜」だが、あまりに風が強く体感的には凍えそうではあったものの、久しぶりにその全貌を拝むことが出来た。日曜日のタイミングで満開を拝めたことが出来た事も素晴らしく幸運だが、例年見られる大渋滞も今年は一切なく、駐車場も無料開放となっていた。

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世間の騒然などどこ吹く風と健気に咲く花びらに、自然ならではの癒し効果を存分に味あわせてもらうことが出来た幸運に感謝したい。

 

 

ただ、娘達にとっては如何なるシチュエーションだろうが、文字通り「花より団子」とあまり興味を示すことはなかったが、「1本30円」の団子にはいたく感動していた様子だった。間違いなくリピートオーダーが入ることだろう。

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