氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

なんでもいいけど日曜日だからってダラダラするなよ

時計の針は深夜の0時を過ぎ、日付けが変わり早くも1時間以上が経過していた。ぬるくなった風呂を沸かし直し暫しのつもりで湯船に浸かると、気がつけば迂闊なことに30分以上も経過していた。居眠りをしていたらしい。1週間の疲れがここに来てドッと噴出した様だ。控え目に缶ビールを1本だけ飲み床につく。いくら疲れていようとも正体もなく直ぐに寝入ることなどは滅多にない。ただ不思議なことにその日に限ってはストンと眠りに落ちてしまった。

 

と、ここまでは「あー、良かったね」で済む話なのだが、案の定、まだ日も昇らぬ午前4時には目が覚めてしまった。こうなればいつもの事だ。例え市場が休みで自宅を出る必要がなくとも手っ取り早く目覚めてしまうに限る。せっかくの休みだ。自分にとって有効活用しようではないか、とは思いつつ、それから7時になるまで布団の中から出ることのなかった自分の努力を全力で褒めて欲しい。いや、褒め称えよ。今やスマホのお陰でPCで出来ることは布団の中からでも出来てしまう、その便利さに感謝しないとだね。

 

よし、山へ行こう!久しぶりに山登りでも一発決めたろうやないかい!と予てから予定は未定だった本巣市の山「大茂山(おおもやま)」を単独登頂してみることにした。そそくさと着替えると、まだ家族が寝静まる午前8時、音を立てない様にそーっと自宅を出る。なんかこの時点で自身の行動の大きな間違いがある様な気がしないでもないが、まぁ、そこは各家庭に家族の事情というものが介在するからにしてそーっとしておいて頂こう。

 

なんでオレより早くに寝とる奴らがオレよりも起きるの遅いんやねん!

あ、言っちゃった。

 

というわけで朝8時に自宅を出て「大茂山」麓にある「外山小学校」にまで車で向かう。事実は定かではないものの、小学校の駐車場を登山客の為に開放して頂いていると聞き遠慮なく止めさせてもらった。

 

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標高500mに満たない低山登山であるからにして、地元の健脚自慢のご老人にも人気があるという。麓で数人、途中で二名のご老人達と出会い山の流儀として挨拶を交わす。「お元気ですね」とのリップサービスは当然、欠かさない。

 

途中、登山道をロスしたものの、無事山頂にまでたどり着いた。

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距離にしてトータルで約10kmの道程だったが、距離の割には簡潔な登山道だったので、途中から種目をハイキングからトレランに切り替えることにした。特に周回コースに於ける山頂からの下りは全てアスファルトで舗装された路面だったのでそこからはロードワークに徹した。

 

とはいえ、ところどころに落石や崩落が見られ、それにともなう緊張感はそれなりに味わうことが出来た。

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あと麓にあった棒が飛び出た神がかり的なものが気にはなったがそれが何なのか知る人があらば教えて欲しい。

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午後からは娘たちをピックアップしてこれまた岐阜市の西部、揖斐郡にある池田山をも登頂する。1日で2山の制覇だ。ただしドライブウェイを車でだけど(爆)

パラグライダーのフライトエリアからも恵まれた天候のお陰で、濃尾平野がこれでもかという程に広く見渡され娘たちも興奮気味だった。

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ただし、高所恐怖症のお姉ちゃんにとっては別な意味の興奮だったみたいだけど。

 

おまけ

 

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話くらいならばいつでも聞いてやるぞ

店舗の2階を無断で事務所に改装し、そこにPCを持ち込みあんなことや、こんなことを検索し閲覧しつつ「ぬへへへへ」と笑っていたら、

「女性のお客様がお見えです」

と階下からスタッフの呼び声が聞こえた。ちっ!せっかくイイところだったのに。女性のお客様ったって自分のところに来るのなんざ保険の外交員か投資話の営業に食材業者が関の山だ。客観的に見ても面倒くさそうに階段を降り、店の入り口に向かうとそこにはどどーん!と1人の女性とはんなりとしたもう1人の女子がいた。

 

「なんだ、お前か」

見るとそこには見慣れてはないが知っている女がいた。自分の記憶が確かならば系列店舗の店長の同級生の筈だ。横にいるはんなりとして女子は彼女の娘で、たまにアルバイトとして店の手伝いをしてもらっている。これがまた見た目だけでなく出来の良い子で非常に重宝している。永久にうちにいてもらいたいくらいだ。それも安月給で。

 

ところで一体全体なにをしに来たのだろう。せっかくのお楽しみ中にわざわざ2階から降りてきたんだ。さぞかし重要な用事でもあるのだろう。

 

実は彼女もまた料理人である。岐阜ではまぁまぁ有名なホテルで修行を積んできた、かどうかは定かではないが、取り敢えずそこに就職し、先ず最初にまんまと口車に乗り包丁のセットを買わされたらしい。先日、自分が包丁を買ったことを受け、これ幸いと包丁のことを語りに来たのだとか。そんな話を聞く為だけにオレはわざわざ呼び出されたのか?

 

「サーモンナイフの刃先の波々はサーモンをスライスする時に包丁にくっつかない様にそうなっているんですよ」

「へー」

「あと骨スキ包丁も持ってます」

「へー」

「あとこれ差し入れです」

「へー」

 

ん?差し入れ?

「へーじゃない!へーじゃない!」

中身はわからないがなにやらずっしりと重い。貰えるものだけ貰ったらあとはもう用はない。

「うんじゃ」

と踵を返し店へと戻った。

 

袋から取り出す。

「なんだこれは?」

思わず感嘆の声が口を衝いて出てしまった。

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「めっちゃ映えるじゃんね」

どうやら食べ物、それもスイーツらしい。一緒に入っていた名刺には「お菓子研究家・店主 古野さつき」とあった。店名もアルファベットで書いてあったが全く読めない。カタカタで「テト」とある。あー、あそこか。わかったぞ。駐車場もない街中に忽然と現れたお菓子屋がある。それがいつしか行列の出来るお菓子屋となりちょっとした話題にもなった。非常に興味深く行列を見ていたのだが、さすがに自分が列に並ぶのは気が引ける。

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「おいおい、いい仕事するじゃねぇか」

こういったツボを突いた差し入れをするとは見た目はともかく中々女子力高いんじゃね?

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これだけ褒めたんだ。お次は何が寄せられるかが楽しみだ。

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物覚えが良いことの弊害

床屋へ行ってきた。気がつけば前回、髪を切ったのが3月11日だったので、早くも1ヶ月近くが経とうとしていた。自分は髪を切るペースを凡そ20日に1回としている。だいたい後ろ髪を引っ張って耳に付くくらいのタイミングとなる。が、なんということか!わずかばかりだが日数をオーバーしてしまったじゃないか。一生の不覚。物事は何でも大げさに捉えた方が話の内容がスペクタクルに富んだものとなる、かも知れない。

 

いつもの様に髪を切りながら店長と与太話を繰り広げる。普段、無口な店長だが、自分が間を開けずに話しかけるものだから口を開かないわけにもいかない。長年に渡るカウンター商売により鍛え上げられた妙というものだ。と、自身は確信に近いものを得てはいるのだが、本当はものすごぉ~く迷惑がっているのかも知れない。が、そんなことはどうでもいい。

 

洗髪と顔剃りは男前な顔をした腹回りが気持ちよさそうな女性が担当してくれた。洗髪後に鏡に写った自分の顔を見て、

「おっ!なんかワイルドな感じでいいね」

とただタオルドライでボッサボサになっただけの髪型だったが、冗談とはいえわずかばかり同意を求めたく自慢気に言葉にすると、何故か顔立ちに似合うニヒル笑いでスルーされた。これを一笑に付すという。

 

しかしながら

「そうしたければオススメはワックスですよ」

と教えてくれた。「そうしたければ」の前に「どうしても」という言葉が態度にチラついたが…。

 

顔剃りのついでに、

「長い眉毛があったら切っておいてもらえますか?」

とお願いした。老齢者に多い現象として何故か眉に長いものが混ざることがある。女性にも見られる現象らしいのだが、原因はよくわからない。生物学的にはわかっているのかも知れないが自分にはわからない。

 

「抜け落ちるのを忘れるらしいですよ」

チコちゃんがそう言っていたらしい。

「へぇ~、じゃなに?髪の毛が抜けるのは物覚えがいいからなんだ?物覚え良すぎるのも困ったもんだよね(笑)」

 

帰宅したら仕事が休みの嫁がなぜかプリプリしている。

「冷蔵庫のお菓子食べたでしょ!」

「あ、あぁ…」

「食べようと思って取ってあったんやで。欲しかったら自分で買えばいいやないの」

「いや、別に欲しかったというわけでもなく、そこにあったから」

「なんでもいいけど勝手に食べんといて!」

 

だって、食べずにずーっとそこに置いてあったんだもん。要らないのかと思うじゃんね、普通。やはり物覚えが良すぎる事は困ったもんだ。

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大根にまつわるエトセトラ

市場の仕入れ先は大きく分けて二手あり、いわゆる「場内」と「場外」がある。共に仲買であるには変わりないのだが、簡単に言えば内か外のどちらに家賃を払っているかの違いだけだ。ただ元請けは当然、内に有るわけだから仲買にとっても利便性は良い筈だし、外に点在するよりも内にギュッと濃縮されていた方が自分の様な仕入れ人にとっても彼方此方に行く必要もなく、となれば当然のこと利便性が良いわけだ。

 

ただ一軒だけ場外にも約20年に渡り付き合いのある八百屋が存在する。80をとうに超えた老夫婦で営んでいるのだが、付き合い始めは当然まだ60代のピッチピチだった頃だ。何か変だがまぁいい。

 

此処との付き合いは当時まだ此処にしか取り扱いのなかった枝豆との出会いだった。岐阜市は良質な枝豆の有数な生産地でもあるが、中でも長良川流域にある「島地区」の枝豆が有名だ。この八百屋はその島地区の枝豆農家と直に取引をしており、その枝豆を分けて貰っているわけだ。

 

たださすがに齢も80を超えると身体能力以外にも色々と心配なところが出て来だした。

 

先日、頂いた大根が見た目にはセンセーショナルだが食材としては使える状況でなかったのでその事を伝えて返金を願いでた。

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写真を証拠として

「昨日の大根、こんなでした」

と見せた。

「こりゃあかんね。昨日、幾らって言っとったかね?」

「150円でした」

「あ、そうか。ほんなら180円にしとくゎ」

「えっ?何故値上がり?」

 

それに例え値下げをしてもらったところで使えないものは使えない。まるでコントの様なやりとりをしていると、

「お父さん、なに言っとるの。違うよ。昨日、150円で売ったやつやがね」

すかさずお母さんから合いの手が入る。お母さんは身体に不自由があるが頭の中身はしっかりとしている。

 

「そやったか。ははは、こりゃもう年取ってどうにもならんわ。ほんならお金返さなあかん。母さん、お金返しておいて」

「まだお金貰ってないでしょう。伝票付けたの消しておけばいいんやて」

ずーっと以前から支払いは一週間毎にまとめて済ませている。とまぁ、この様なやりとりが日常茶飯事に繰り返されるわけだ。

 

頼んでもいない物が伝票に付けられていた事も多々あるし、前日購入した大根と同梱されていた大根が翌日には値上がりしていた事もある。その都度、お母さんから後ほど電話があり価格の訂正がされたりもする。

 

その逆にあまりにも相場より安く提供された事もあったので、馬鹿正直にも此方から確認を促す事もあった。本当にしっかりしてよ、と実の父親が如く心配してしまう。

 

と様々なことが多々あったりもするが、自分はいつまでもお二人の味方なので末永く元気に頑張っていって欲しいといったエールの様なそうでもない様なお話だった。

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たまの買い出しで贅沢三昧

隠れメインバンクのジャパンネット銀行がとうとう「PayPay銀行」と社名を変更してしまった。説明しよう。隠れメインバンクとはすなわち、家族の誰もその存在を知らない自分の自分による自分の為の銀行というわけだ。簡単にいえばヘソクリをプールしてある銀行というわけだ。

 

それはともかくとして、こうやってPayPayの名がどんどんと侵食して行き、ついには親会社の名称までPayPayになりはしないかと内心、ワクワクしている。どうせならばそれくらいの気概を見せて欲しいと切に願う。PayPayホークス…ぷ。

 

そのPayPayで支払いが出来る駅中のスーパーを訪れた。いつもは買い出しをスタッフに任せっきりだが、たまには自分でと足を運んだわけだ。とはいっても目的はデザート用の莓の買い出し、ただそれだけだ。つまり「ガキの使い」でも間に合う。大半は暇つぶしだが、名目は市場調査ということにしておこう。

 

莓って高いよね。1パック普通に4~500円はしちゃうじゃない。とはいえ買っておかないわけにもいかないし、背に腹は代えられないと青果売り場へと向かったら、「えっ?」

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こんな事もあるんだね。1パック150円だって。多少、粒は細かいけれど見栄えを気にする専門店でもないのでこんなので十分なのよ。4パック買うと更にお安く580円だって。今年もいちご狩りに連れていけと娘たちが煩く言う。でもいちご狩りってアホみたいに料金が高いし、それに大して食べてもいないのに、直ぐに胃の許容量を超えてしまうじゃんね。実に勿体ないと行く度に思ってしまうんだよな。ならばこれでいいじゃん、と豪勢に箱買いしてやろう。

 

レジへ向かおうとすると大勢の視線が此方に寄せられていることに気がついた。気が付かないふりをしていたのだが、あまりの熱視線についつい目を合わせてしまうことになる。

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ルマンド

 

それも「贅沢ルマンド」だ。ご存知の方も多くいよう。改めて自己紹介すると、自分は「ルマンディスト」だ。ルマンド、ルマンダ-、「ルマンディスト」だ。

 

「わかったよ。ひとつだけだぜ」

莓と一緒にレジへと持ち込み先に述べた様にPayPayで支払った。しかしながら買ったまでは良いものの、手ぶらで来たからにして入れ物を所有していない。仕方がないので莓の上にルマンドを乗せて裸のまま雑踏の中を歩いて店に戻った。

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恥ずかしさよりもわずかばかり箱買いした優越感が勝り誇らしげな気になれた。本来は店の経費で買うものだが、1パックだけ店にくれてやった。太っ腹な自分を全力で褒めてやってほしい。

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重要文化財「長浜別院 大通寺」で姉妹プロレスを楽しむ

なにも長浜に「鯖そうめん」だけを食べに行ったわけではない。もちろん、「はちみつ入りソフトクリーム」を食べに行ったわけでもなければ、「堅ボーロ」を買いに行ったわけでもない。特に後ろの2つは想定外の出来事だ。じゃ、何しに行ったんだよ。

 

行動に意味を持たせるとしたならば、最大の理由はせっかくの春休みだからどこかに連れて行ってあげたいという、娘たちへの愛情だ。だから尚更にして晴れて欲しかったのだが、すっかりと忘れていたが自分と長女は究極の雨男に雨女だった。人の所為ばかりにしていちゃだめだね。テヘペロ

 

で、前回、前々回と長浜まで行ったにも関わらず時間の関係上、行くことが出来なかったのが「長浜別院 大通寺」だ。その名称からもわかる様に「お通じ」がよくなる寺だ。な、わけない。実は今まで訪ねた数々の神社仏閣に同じく重要文化財の宝庫であり、特に本堂から通ずる大広間を所要する諸々の仏殿は必見の価値があると言われている。

 

とその前に軽く周りを愛でてみようじゃありませんか。

 

山門の威容は言うに及ばずだが、

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本殿のこのシャレオツな面構えはどうだい。

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障子に施された切り絵は何かの記念になんちゃらかんちゃらという切り絵作家が寄稿したものらしい。

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恐らく切り絵界では有名な方なのだろうが、名前を聞いたところで自分は1mmも知らん。ただ、昔からそうであったかの様に違和感はまるで感じられなかった。

 

さて、肝心の大広間だ。ここから先は拝観料が必要となる。大人500円、小中学生は100円。計700円をPayPayで支払い、いざスニーキングと参りましょうか。決済の後に気がついたのだがお姉ちゃんはもう高校生だった、ははははは。ま、いっか。

 

大広間は元「伏見城」の遺構らしくその時代背景を感じさせるもので、正面の絵画には重文さながらな豪華な趣が描かれている。

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こらこら、いくら誰も見ていないからってそんなところで二人して寝転ぶんじゃない。プロレスもダメ。相撲ならいい?っていいわけないじゃん。うん、キミらが全く興味がないことだけはしっかりと分かったよ。

 

というわけで、じっくりと1時間くらい掛けて見て回りたかったのだが、その凡そ6分の1の10分そこそこで切り上げた。

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書院

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重文・蘭亭 絵画は円山応挙

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蘭亭からの庭




まぁ、若い女子に古刹をわかれと無理強いする方が野暮ってもんさね。

 

なにはともあれ春休みのショートトリップ。行かないよりは行った方がマシな旅となったのではないかと思うが、基本、自分が行きたいところに行っただけというわがままな旅とはなったが結局はそれでいいのだ。

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宮内庁御用達「堅ボーロ」を貪る。

生憎の雨の長浜だったが、幸いにして一部町並みにはアーケードが設けられている為、雨に降られることなく通りを往来することが出来たのだが、そんなことよりも驚いたのは我が家の娘たちが「アーケード」という言葉を知らなかったことだ。

 

岐阜には観光地名称で「柳ケ瀬」と呼ばれる繁華街があり、ほぼ全面がアーケードで覆われているからにして子どもの頃から慣れ親しんだ風景となっていたのだが、今の子は柳ヶ瀬よりもむしろショッピングモールを多用することから、柳ヶ瀬を利用しない子ども達が「アーケード」と聞いても「なんじゃらほい」なのかも知れない。

 

特に我が家は長良川を挟んで川北に位置し、それも岐阜市の更に奥地に住まいがあるので子どもだけで柳ヶ瀬にまで行こうとすれば相当な労力を要することになる。ただ、例え行ったところで年頃の娘たちが楽しむ場所を探すのは大変かも知れない。最後の牙城、ドン・キホーテが撤退して尚更となった感が強い。

 

それはさておき、アーケードの下を歩いていると、大仰なチラシが目についた。「宮内庁御用達」「旧陸軍御用達」とな?

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興味深く覗いてみると「堅ボーロ」というお菓子を売りにしている店らしい。地方色豊かなスイーツに目がない自分のことだ。当然、店内にて品々を物色し始めた。

 

「またかよ」

と呆れ顔の娘たちだったが、試食が出来るとわかると片っ端から試食を始めた。その卑しさはいったい誰に似たんだ?ぐっと堪えて言及は避けたいと思う。とはいえ試食出来るならばと自分も当然のことながら手を出す。「ボーロ」といえばクッキー状の焼き菓子だ。「たまごボーロ」は自分が幼き頃のフェイバリットお菓子だったが、つまりはその「ボーロ」が堅いという事なのだろうか?

 

口に含む。生姜の刺激が口中に広がる。舌触りはゴツゴツとしており、たまに歯をあてがうも、なるほど。これは堅い。噛んで噛めないこともなかろうが、無理にそれをやるには相当な顎関節の力と歯そのものの頑丈さが必要となる。ここは大人しく柔らかくなるまで口中で温めておくことが必要だと本能が判断した。

 

生まれつき顎関節が弱い長女などは、人の注意も聞かないで2つも口に放り込むものだから、暫くモゴモゴと会話を交わすことも困難を極めた。本当に誰に似たのか卑しいんだから。

 

1個程度の試食では味わいを判別することなど不可能だ。自分もまた2つ3つと手の平に取り再び口の中に放り込む。1個が中々大きいので3個も入れればそもそも噛むことが不可能となることに気がついた。外部をなめ尽くしてから歯を立てることにしよう。

 

一通り試食をして店を出ようとしたら、「五色ボーロ」が欲しいと娘たちがねだる。

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仕方がないから買ってやった。ならばついでと自分用にも「堅ボーロ」の小袋を購入したところに人格者の片鱗が垣間見られたことだろう。

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自宅でひとり「堅ボーロ」をつまむ。歯医者の予約が来週にあったことを思い出した。実に記憶を呼び覚ます「堅さ」だった。

 

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